ファインバブル活用例 - 産業

UFB を活用したシリコンウェハーの分離

【上】ファインバブル水中の太陽電池シリコンウェハーインゴットの様子。密着した薄膜ウェハーが、時間が経つにつれ(写真の右側に向かって)分離していくのがわかる。/【下】ウェハー分離のプロセス。ウェハーの隙間には、UFB からMB へと次第に大きなバブルが浸透し、ウェハー1 枚1 枚を分離していく。

太陽電池のシリコンウェハー(以下「ウェハー」という)は、シリコンの塊(インゴット)を薄くスライスして造られ、それらが積み重なった状態で次の工程に供給されます。供給されたウェハーは加工のために1枚ずつ分離する必要がありますが、近年コストダウンのための技術向上により、急速に薄膜化(厚さ数百ミクロン)が進んでいます。この薄膜化が進めば進むほど、分離工程でウェハーが割れ、歩留まりに大きく影響していました。

その解決手段として、ウルトラファインバブル(UFB)が微細な隙間に入り込みやすいという性質が活用されています。供給されたウェハーの塊(ウェハーが積み重なった状態)に一定割合のマイクロバブル(MB)とUFBを供給すると、ナノサイズのUFBがウェハーの隙間に入り込んでギャップを広げるとともに、引き続きサイズの大きなMBが入り込んで1枚1枚を簡単に分離することができるのです。ウェハーは、その後1枚ずつ搬出されますが、各ウェハーの隙間に形成されたバブル層がクッションの役割を果たしています。

出典:経済産業省 九州経済産業局 『ファインバブル活用事例集』 2018

産業排水処理改善(FJ・酸素ガス)

酸素ガスで微生物を活性させて処理を促進
既存処理設備の大幅な改造をせず設置可能

できること
  1. 排水処理設備の能力増強
  2. 余剰汚泥発生量削減
  3. 悪臭発生抑制

対象

対象水
食品工場排水
排水処理方式
標準活性汚泥法
排水量
500m3/日
試験期間
2015年1年間

装置

FB発生装置
フォームジェット FJP-300-RP
ガス発生装置
酸素濃縮器
処理水量
180m3/h
酸素供給量
10m3/h

アルカリ性排水中和(中和装置・炭酸ガス)

炭酸ガスでセメント工事現場のアルカリ性排水を中和
効率的なガス溶解とガス量自動制御で処理可能

できること
  1. 炭酸ガス使用量の削減
  2. 安定的連続処理

対象

対象水
アルカリ性排水
水量
10m3/h
pH
処理前 10 → 処理後 8

装置

自社
ファインバブル方式 中和装置 NC-10Ⅱ
他社
ラインミキサー 方式

産業排水中の難分解性物質易分解化(ファビー・オゾン)

オゾンの酸化力で難分解性物質を易分解化
難分解性物質の河川・湖への排出を抑制

できること
  1. 易分解化
  2. 環境負荷低減

対象

対象
排水処理引抜汚泥
40L

装置

FB発生装置
ファビー50
ガス発生装置
オゾン発生器
処理水量
50L/min
オゾン供給量
0.46g/min