ファインバブルの代表的な発生方法とその特徴

マイクロバブル発生原理の分類
主な原理 方式 原理
液流せん断による気相分散 旋回液流式 高速液旋回流による気相の粉砕
スタティックミキサー式 管路内の突起物による気体の粉砕
微細孔式 微細な穴から液流中へのガス分散
キャビテーション エゼクター式
ベンチュリー式
管路の急激な収縮と拡大による気相の粉砕
液中ガス溶解度変化 加圧溶解式(減圧析出式) 過飽和気体溶液の減圧によるガス析出
冷却溶解式(加温析出式) 過飽和気体溶液の加温によるガス析出
分散相の相変化 混合蒸気凝縮式 蒸気共存ガスの凝縮によるガス残存
ウルトラファインバブル発生原理の分類
主な原理 方式 原理
界面張力低下 界面活性剤添加
+微細孔式
微細な穴から液流中へのガス分散
強度液せん断流による気相分散と混合 スタティックミキサー式 管路内の突起物による気体の粉砕
旋回液流式 高速液旋回流による気相の粉砕
液中ガス溶解度変化 加圧溶解式(減圧析出式) 過飽和気体溶液の減圧によるガス析出

マイクロバブル発生方式(イメージ)

旋回液流式
スタティックミキサー式
微細孔式
エゼクター式
ベンチュリー式
加圧溶解式(減圧析出式)
冷却溶解式(加温析出式)
混合蒸気凝縮式

ウルトラファインバブル発生方式(イメージ)

界面活性剤添加+微細孔式
スタティックミキサー式
旋回液流式
加圧溶解式(減圧析出式)
出典: 寺坂宏一・氷室昭三・安藤景太・秦隆志 『ファインバブル入門』 日刊工業新聞社、 2016

ファインバブルの発生方式のメリット・デメリット

発生方式 ガス供給 ガス利用 出力 大型化 目詰まり

マイクロバブル発生装置

旋回液流式 ×
スタティックミキサー式 加圧
微細孔式 加圧 × ×
エゼクター式 ×
ベンチュリー式 ×
加圧溶解式(減圧析出式)
冷却溶解式(加温析出式) × ×
混合蒸気凝縮式 加圧 ×

ウルトラファインバブル
発生装置

界面活性剤添加
+微細孔式
加圧 × ×
スタティックミキサー式 加圧 ×
旋回液流式 加圧 ×
加圧溶解式
  • 一般的なものを評価

ファインバブルの測定技術

各種ファインバブル測定手法の適用範囲
出典:ファインバブル産業会 資料

測定機器の紹介

レーザー回析・散乱法

(株)島津製作所製 ナノ粒子径分布測定装置 SALD-7500nano

粒子にレーザー光を照射すると、そこから発せられる回折・散乱光の強度分布パターンは粒子の大きさによって変化する。その分布パターンから計算によって粒度分布を高める方法。

粒子軌跡解析

Malvern Panalytical製 ナノ粒子解析システム NanoSight

粒子にレーザー光を照射したときの散乱光によって粒子の動きを可視化し、その粒子のブラウン運動の速度からストークス・アインシュタイン式により粒子径を測定する。

共振質量測定法

Malvern Panalytical製 共振式粒子計測システム アルキメデス

カンチレバー内の流路を通過する粒子によりカンチレバーの共振周波数が変化する。その変化から質量を測定し、密度、粒径を求める。(重たいものはゆっくり、軽いものは早く振動する。)

動的光散乱法(ファイバー光学方式)

大塚電子(株)製 ファイバー光学動的散乱光度計 FDLS-3000

粒子にレーザー光を照射したときの散乱光の強度揺らぎの情報から自己相関関数を求め、ブラウン運動速度を示す拡散係数、さらに粒子径を求める。

動的光散乱法(クロスコリレーション方式)

Sympatec GmbH製 光子相互相関分光方式 NANOPHOX

同一測定エリアに2本のレーザービームを照射し、2つの検出器で得られた信号から多重散乱による信号を除去するクロスコリレーション法により、高濃度の測定を可能とした動的光散乱法。

電気的検知帯法

Micromertics製 粒子サイズ分析器 Elzone Ⅱ 5390

電気的検知帯法(コールター原理)による検出方法で、アパチャーと呼ばれる狭い通路の内外にある電極において、アパチャーを流れる粒子により電極間に電気抵抗が変化することで粒子の体積と個数を測定する。

画像解析法

Micromertics製 フロー式画像解析粒子径・形状測定装置 Particle Insight

粒子径だけでなく、形状も画像で確認できるフロー式の画像解析装置。
光源からフローセルに光をあて、粒子がセル内を通過したときの投影像を、高感度CCDカメラで撮影し、そのデータを解析する。